先日、戸田市立新曽小学校で開催された教育研究発表会に参加しました。
平成29年度から3年間、
「学びあいを深め、表現する児童の育成」
を研究主題として子どもたちに教科横断的な学びを実践する教育を研究しています。
その一環として、新曽小で「セサミストリートカリキュラム」の試験的導入がなされています。
【セサミストリートとは】
セサミストリートとは、アメリカ合衆国のNPO「セサミワークショップ」が制作したアニメ。
セサミワークショップは、アニメだけでなく、教育プログラムを約150か国で展開しています。
セサミストリートと聞くと、私たちは、英語教育のための番組と思いがちです。
でもそれだけじゃないんです。
その国、地域に合わせた社会問題について理解を深める超社会派アニメ、カリキュラムなのです。
たとえば、南アフリカ。
アフリカは、世界のHIV感染者の約3分の2の人びとが暮らしている地域と言われています。
アフリカ版セサミ・ストリートでは、「カミ」というHIVに感染している女の子のキャラクターが登場します。
そのキャラクターを通じて、手を繋いでもうつらないよ、などHIVの正しい知識、予防等を訴えています。
また、約44万人の子どもたちが里親のもとで暮らしているアメリカでは、里親のもとで暮らすキャラクター「カーリ」が登場しました。
家庭の事情で親と暮らすことができず、里子として「今だけの親」に育てられているという設定。
カーリによって、里子を養育する家庭には安定した環境や帰属意識の大切さを、子どもたちには里親がどんな制度かを教える狙いがあるそうです。
更に、アフガニスタン版でデビューしたキャラクター「ザリ」には、女子も等しく学ぶ権利や社会の中で役割を持てるという、男女平等への後押しとなるよう期待されています。
【セサミストリートカリキュラムと戸田市】
セサミストリートカリキュラムとは、セサミワークショップ の
「Whole Child(知的発達から情緒的発達、社会性の発達まで、子ども1人の成長を全体的に支援する)」
という教育的アプローチをもとに開発されたカリキュラムです。
「キャリアとお金」
「価値や多様性の理解」
「インクルージョンの実現」
という3つの視点で、子どもたちの学校教科における学力の向上だけではなく、社会性や生涯学習における基礎的な資質の育成を目標としています。
①主体的に判断する力
②協働する力
③新たな価値を想像する力
④多様性
を理解する力を、セサミストリートのキャラクターと一緒に学びます。
小学1から6年生において、各学年、12のプログラムが用意され、
例えば「目に見えない特性」「多様性とは」「社会のお金」「解決策の見つけ方」等、通常の公教育の教科では学べない、この社会で生き抜くための力を養うことができるものばかりです。
埼玉県戸田市立新曽小学校において、2017年12月からパイロット(試験的)授業が開始され、その成果を基に、セサミストリートカリキュラムは2019年4月、公教育のカリキュラムとして全国展開しました。
【どんな授業か?】
「夢をえがく、計画を立てる、行動する」という基本軸に沿って授業がなされます。
「NO」と言わない。
ダメなことは、ない。
やってみたいこと、思いついたこと、なんでも表現していい、というもの。
答えのない課題について、子どもたちが協力しながら他者を認め、納得解を見つけていくものです。
これは他の教科にも波及し、友達の話をよく聞き受け止め、自分の意見を発言し、友達の意見を取り入れながらよりよいものを考え出すことができるようになったとのことでした。
見学した授業では、子どもたちが目を輝かせて納得解を導き出すために考え、議論していたのが印象的でした。
【北区での導入など】
行政が特定の企業や法人と協働していくことは、公平性を欠くと言われがちで、かなりのハードルがあります。
しかし、戸田市の教育委員会は、「子どもたちに必要だから」という熱い想いで、それを実現しました。
今回の研究発表で、私は胸を打たれたし、この素晴らしいカリキュラムで北区の子どもたちも学んでほしいと強く思います。
まずは、課長に相談することから始めたいと思います。
最後になりますが、
セサミストリートカリキュラムに目を付け、お声がけくださった児童養護施設出身で熱心に啓発活動をされているモデルの田中麗華さん、
ご縁をつないでくださった埼玉県議会議員の金野桃子さんはじめ、元上司の戸田市長菅原様、貴重な機会をどうもありがとうございました✨
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