荒川下流河川事務所&荒川治水資料館を視察‼️ 〜水害から北区を守るために。

先日は、北区志茂の荒川下流河川事務所とお隣の治水資料館へ視察に伺いました。

 

河川からの大きな影響がある北区において、水害は、行政、区議、関係機関、区民が一体となって取り組んでいかなければならない大きな課題であるため、私の方で企画し、他の区議の方をお誘いして実施させていただきました

 

その内容について、是非皆さんにも知っていただきたく、ご覧いただけたら嬉しいです。

 

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◆荒川の歴史について

 

もともとの荒川とは、実は現在の隅田川を指していました。

 

しかし、明治43年の大洪水を機に、東京の下町を水害から守る抜本策として、北区の岩淵に水門をつくり荒川の水を逃がすための「荒川放水路」を開削。

 

その放水路が現在の荒川と呼ばれる川となり、本流は荒川ではなく隅田川と名称が変更されました。

 

放水路の工事は、とてつもない作業ですね。
人や馬の力を使って河岸部を平らにし、蒸気掘削機を使い水路を掘削。水路に水を引いてから、船を使ってさらに深く掘るという作業を繰り返したそうです。

 

そして地下水のくみ上げ等が原因で広域で地盤沈下が起きました。
その結果、堤防の外側は、河の水位よりも低い住宅地が広がることなりました。

 

◆岩淵水門のしくみ

まず、荒川の水位の単位は、「A.P.」(エーピー:Arakawa Peilの略)という単位が用いられています。
A.P.±0とは、干潮時の東京湾の海面を「0」とした基準だそうです。

 

岩淵水門は、「A.P.+4m」の水位に達した時点で閉鎖する決まりとなっており、今回の台風19号でもその水位で閉じられました。

 

これにより、街が洪水にならないよう隅田川の水位の上昇を食い止め、荒川に水が流されます。
長年の知識と経験が積み重なって出れた数値なんですね。

 

なお、水門を閉じるには1分間に30センチ、下まで閉じるのに45分程度かかるそうです。

 

また、水門の開け閉めは、災害対策室にあるコンピュータで作業を行いますが、その際には、実際に水門付近の現場の安全確認をしながら、行うのだそうです。

 

これまで気付きませんでしたが、月1回は水門の開閉点検を行なっているとのことでした。

 

◆洪水から街を守る調整池

 

荒川の水源地は山梨県・埼玉県・長野県の3県の境にある奥秩父の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)。

 

荒川は、そこから埼玉県寄居町、川越市、戸田市などを通って北区に流れてきます。

 

水門のほかに街を洪水の被害から守るために存在するのが調整池です。
大雨の際には調整池で沢山の雨水を貯めることができます。

 

現在、荒川の調整池には、北区のお隣、戸田市に第一調整池「彩湖」があり、東京ドームの約4倍の貯水量があると言われています。

 

私も彩湖に隣接されている道満グリーンパークでバーベキューをしたことがありますが、普段はたくさんの人で賑わっています。

 

ここが、台風19号では、岩淵水門同様、大きな役割を果たしてくれました。

 

そして更なる調整池として、昨年から川越市と上尾市に、第二、第三調整池の建設工事が始まっています。

 

この二つの調整池は、約13年間(平成42年度)で完成予定だそうです。

 

彩湖の約1.4倍の水を貯めることができる新たな調整池が完成すれば、200年に一度の大雨にも耐えうる水害対策となるとのことで、1日も早い完成が待ち遠しいです。

 

◆自分たちにできることは何だろう?
タイムライン作成のススメ

荒川治水資料館では、北区の各駅での洪水シュミレーション、避難所の展示、荒川の歴史が勉強できるだけでなく様々な防災イベントが実施されています。

視察翌日に行われた
台風の接近の際のタイムライン(行動計画)を作るイベントでは、ハザードマップを見ながら自宅に及ぶ被害を予測し、避難行動を考えました。

万が一荒川が決壊した場合、
我が家は水深3mとなる地区

マンションの上層階に避難したとしても、地上の水が引けるまでには、2週間はかかるかもしれないと言われています。

そのため、その間、停電となる可能性のある我が家に留まるのはできないのでは?
と考え、避難所に向かうタイムラインとしました。

避難場に行くにも、土砂崩れが起きうる道を避けるなどの注意が必要です。

このようなワークショップにおいて、職員の方は、タイムラインの書き方だけでなく避難に必要な必需品についてなど丁寧に教えてくださいます。

気候変動等により、今回のような大型の台風が襲ってくる可能性があるため
私たちは、普段から私たちにできる準備をしておかなくてはなりません。

これからもタイムライン作成の企画は行われるそうなので一人でも多くの方に参加して欲しいと思います。

以上、視察報告でした。

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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