今回は、3つ目の「多胎児家庭への支援について」の全文を掲載します。
質問当日には、仕事に育児に忙しい中、多胎児のママさんたちが応援に来てくれました。
とても有難くて
「ママさんたちのために、代弁するんだ‼️」と一生懸命訴えました。
少し長いですが
読んでもらえたら嬉しいです
【3つのテーマ】
①避難所リーダーについて
https://komazakimiki.jp/3280/
②生活困窮世帯等への学習支援について
https://komazakimiki.jp/3293/
③多胎児家庭への支援について★今回投稿
【多胎児家庭への支援全文】
ここ北区でも0歳から5歳までの双子、三つ子等の多胎児数は、昨年度末現在で158組となっています。
現在、双子や三つ子などの多胎児は、不妊治療が一般的に普及してきた1980年代後半と比べ、およそ1.5倍に増えています。
多胎の妊娠・出産は、ハイリスクです。
お腹に二人以上の赤ちゃんがいますから、赤ちゃんが低体重になりやすく、妊婦健診も数が多く、赤ちゃんは新生児集中治療室に入ることも珍しくありません。
更に産後は外出困難になり、大変孤立しやすい状況にあります。
多胎の情報も極めて少ないため育児不安は非常に大きく、虐待死事件の発生率は、なんと単胎家庭の2.5~4倍となっています。
妊娠、出産、育児まで多大な負担があることから、
2018年に豊田市で三つ子を育てる母親の次男虐待死という悲しい事件がありました。
生後11カ月の次男が泣きやまないことを気にやみ、床に2回たたきつけたことにより、脳損傷で亡くなったというものです。
また、今年9月に「多胎育児のサポートを考える会」が、多胎児のお子さんがいる1591世帯に実態アンケートを取ったところ、
「トイレに行くわずかな時間もない」
「それぞれの夜泣きを対応していたら15時間が経っていた」
「何度も子どもを殺してしまうかもと思ったことがある」
等の多胎児家庭の悲痛な声を知りました。
いつ虐待が起きてもおかしくない。
多胎児を育てる親は、ギリギリの状態です。
多胎児育児支援として北区が行っているものはただ一つ、
「ツインズ・イン・北区」という、親どうしの懇談会です。
平成30年度は、年間17回で246組が参加しました。悩みを共有できた、連絡先を交換できて良かったという声が届いていますが、一方で平日開催のため、
「一人で子どもたちを連れて出かけられない」
「外出が難しい」
という声があるのも事実です。
北区のこの「ツインズ・イン・ 北区」だけでは、とても多胎児家庭をサポートできないのが現状です。
そこで、北区にお住いの多胎児家庭の声や民間団体のアンケート結果を元に、このような極限状態に置かれている多胎児家庭への支援として、私は大きく3つの事業の実施を要望します。
1つめ。多胎児家庭の移動手段をサポートする「タクシー利用料の補助」です。
先ほどの「多胎育児のサポートを考える会」が行った1591世帯へのアンケートの結果、多胎育児中に最も辛いと感じた場面が「外出・移動が困難なとき」で89.1%でした。
多胎のお子さんを連れての外出が非常に厳しい状況です。
例えばバスに乗るとき。
北区内を走る都営バスや区のコミュニティバスでは、原則ベビーカーを折りたたんでの乗車を強要されます。
ただ、国際興業バスについては、そのまま乗車できれば畳まずに乗車可能とのことでした。
双子用のベビーカーは畳んでもそれほどコンパクトにならず、重さも平均約10kg、畳み方も複雑で、乳幼児2人を抱きながら畳み、持ち上げるのは非常に困難です。
また電車でも
「目的地はエレベーターのない駅だったので、駅から出れなくて帰宅した」
「そもそも乗ろうと思えない」
との声が上がっています。
しかし、タクシーの利用補助があれば、通院、検診など、必要な外出がしやすくなります。
なお、荒川区においては「ツインズサポート事業」があり、限度額あり、年齢制限つきですが、タクシー利用料の全額補助を行っています。
区内在住の多胎児家庭からもお声を多々いただいており、北区においても、進めるべきです。
二つ目、幼児までの訪問型の育児・家事支援です。
同じく「多胎育児のサポートを考える会」の調査結果によると、最も必要なサポートの第一位が「家事・育児の人手」であり、1591世帯中、1086世帯の68%でした。
北区での既存の育児支援といえば、2つあります。
一つは、ファミリーサポートです。
今年11月から、きょうだい預かりが可能となり、二人目以降半額にもなりました。私がママやパパの声を受けて、6月の議会で訴えたことが形になり、北区の所管課には大変感謝しております。
この改正により、多胎児家庭も大変助かるとは思いますが、一方で最も育児が大変な乳幼児二人を預かってくれるサポート会員が、現実的に、なかなか見つからないという課題が出てきます。
二つ目は、産前産後の家事・育児支援である「安心ママヘルパー」です。しかし、産前産後を目的としているため、生後6か月までしか使えません。
授乳、おむつ替え、夜泣き2倍、3倍の育児生活のなか、もっと長い期間でのサポートが必要です。
そこで調べてみると、大津市や天童市において、3歳未満の多胎児を養育しているご家庭に対し、家事・育児支援を行うホームヘルパー派遣事業を実施していることが分かりました。
北区でも、多胎児家庭に向けた家事・育児支援の拡充が必要です。
具体的には北区でも多胎児家庭に対し、家事・育児支援を行うホームヘルパー派遣事業を行うことを提案します。
もしくは、今すでに行われている「安心ママヘルパー」について、多胎児の出産は、単胎の出産と比較して負担が大きいことから、通常の利用期間である「産後6ヶ月」という期間を延長することが必要です。
安心ママヘルパー事業は、6月の第二回定例会で申し上げましたが、平成30年度実績で出産した母親のおよそ4%しか利用していません。
多胎児の出生数は平成29年度で約26組、平成30年度で約14組です。
多胎児における安心ママヘルパーの利用期間を延長した場合、利用率をあげることにも寄与できます。加えて、そもそもの多胎児ママの人数が少ないことから、限られた予算で十分対応可能です。
なお、北区でいう「安心ママヘルパー」のような産前産後ヘルパー派遣事業において、多胎児家庭の利用期間延長を行なっている自治体は、豊田市や横浜市があり、通常1年間使用できるところ、多胎児家庭は3年間までとなっています。
利用期間の延長は、産後の母を支えるという制度本来の趣旨にも叶います。
三つ目は、保育園優先入所のための指数加算等です。
保育園に入所する際には、「保育指数」の大小で入所を決定します。
この保育指数は、保護者の就労状況等により決定する「選考指数」と世帯の状況などに応じた「調整指数」を合算したものです。
さらに、保育指数が同点の場合には、優先順位が定められています。
来年度の入所選考では、同居のきょうだいが認可保育園等に在園している世帯、または同居のきょうだいで同時申請している世帯には調整指数として2点が加算されます。
しかし、多胎児家庭については、特別な加算がありません。
育児に困難を抱え、虐待リスクが高い多胎児家庭には、通常の世帯よりも保育園で支える仕組みが必要です。
よって、多胎児家庭には、特別な加算をしてください。
また少なくとも、保育指数が同点の場合には、優先順位を上げるなどの措置が必要と考えます。
以上、多胎児家庭への支援について、大きく3つの事業の実現を強く要望し、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
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