今回の課題は、あるママさんからご相談があった件に基づき、訴えたものです。
これまでずっと耐えてこられたご家族の想いは、誰かを責めるのではなく
「このようなことが二度と起こらないように、他の方が同じ想いをしないように今の調査や虐待判断のプロセスを改善してほしい」と言うもの。
障害者虐待の相談や通報を受け、適切な対応をすべき「障害者虐待防止センター」の在り方について、早急な改善を求めました。
私は、昨年12月から障害福祉課と何度もやり取りをし、通報内容や区の考え方の確認を行いました。
また、通報者であるママさんにはそれ以上に細かくやり取りを行いました。
お子さんと実際にお会いして話をし、医療系の専門の方々にもアドバイスをいただきました。
その過程の中で、議会という場で訴えなければならないと思うようになりました。
現場の職員の方々も、
私が提案した専門家を交えた協議の場は必要だとおっしゃっていましたし
二度とこのようなことで涙を流す方が現れないように、そして誰一人、虐待を見逃さないために
通報者であるママさんのお気持ちからも、議場で訴え、一人でも多くの方に知ってもらうことが必要だと考えました。
私も、胃が痛い日々でした。
でも、今回の議会質問により、北区からの答弁で「相手の承諾によりICレコーダーなどを活用し、正確な聞き取りに努める」というお言葉をいただけました。
これで、大きな問題の一つ、根本的な聞き取りの認識違い「言った言わない」は、なくなると思います。
もう一つの大きな問題、調査・判定について、今回のように課内の職員だけで行うのではなく、専門家を交えたケース会議について提案しましたが、こちらはまだ「検討します」という段階です。
内部だけの目線では偏り、誤ることもあると思います。
今回のように、医師との判断が異なることもあると思います。
判断の正誤だけでなく、職員の学びのためにも取り入れるべきと思っています。
どのような形あっても、全ての案件に、第三者である専門家を交えて協議することが実現するまで、私は、ずっと何らかの形で訴え続けます。
それは、この件に関わった私の使命です。
今回の議会にあたり、弁護士さんにも原稿確認をお願いし、私としては、細かな言い回し、表現一字一句に気をつけて議会に臨みました。
障害者虐待防止センターは、障害児・障害者を守る北区唯一の機関です。
障害児・障害者の虐待をなくそう、と関わってくださった全ての皆様に感謝いたします。
・・・・・・・・・
1 3月15日掲載
◆ブログ
https://komazakimiki.jp/3675/
①障害者虐待防止センターの役割について
②具体的事案における区の虐待判断等の判断について(前半)
2 3月16日掲載
◆ブログ
③具体的事案における区の虐待判断等の判断について(後半)
④センターの改善を強く求める(前半)
3 今回掲載
⑤センターの改善を強く求める(後半)
④最後に
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更には、虐待判定等を行う協議プロセスについてです。
今回の事案に対し、当センターは「虐待ではなく、不適切な支援」としました。
しかし、前述した通り、担当医は保護者に対し「この話が事実であれば、虐待です」とおっしゃられていました。
なぜ判断が全く異なるのでしょうか。
その原因の一つとして、虐待かどうかの判断を下す大切な個別ケース会議にも、外部の専門的知識を有する方がいなかったためと考えます。
この個別ケース会議は、センター内、つまり障害福祉課の職員間において行われ協議されたことを確認しています。
具体的には、障害福祉課長、障害者虐待防止センター長、障害福祉係係長、地区担当者です。
ここで、「東京都北区障害者虐待防止マニュアル」には、事案について検証する個別ケース会議は、先ほど申し上げた担当課内の職員だけでなく、区関係課職員、相談支援事業者などの事案対応メンバー、更には、警察、弁護士、医療機関等の専門家チームが加わることができるとされています。
しかしながら、今回、その必要はないとされ、専門性を有するとは言い難い身内の職員だけで、虐待かどうかの重大な判断・対応を行いました。
もしここに、外部の専門家がいてくれたならば、もしかすると「虐待」判定がなされ、相応の対策を取ることで、その女の子は施設を退所せずに済んだかもしれません。
今回の「虐待ではない」という結果についても、専門家を交えた適切なプロセスを経ているものであれば納得できるかもしれません。
しかし、そうでないものに対し、親族の方々が納得されないのは、当然のことではないでしょうか。
そこで、具体例として提案したいのが、月一で弁護士に加えて、障害児虐待・療育指導に関わる方、児童精神科医、心理士、精神保健福祉士などの専門家とのケース会議を行うことです。
このケース会議において、通報があった事案について意見交換するなど、通報事案には必ず、外部の専門家の目線を取り入れるべきと思いますが、区の見解を問います。
最後に大きく3点目、障害者福祉施設従事者に対する外部研修の受講についてです。
平成30年度における厚生労働省の調査結果によると、市区町村等職員が判断した障害者福祉施設従事者等からの障害者虐待発生要因で最も多いのは、複数回答ありで「教育・知識・介護技術等に関する問題」が73.1%、そして「倫理観や理念の欠如」が52.8%となっています。
そこで、東京都では、障害者虐待の問題について障害者福祉施設従事者等の理解を深め、専門性を強化するための研修を実施しています。
この研修受講のばらつきもまた、虐待に繋がる一つの要因と考えます。
このことから、当センターの役割の一つとして、区内全ての障害者福祉施設において、管理者のみならず、一番近くで障害者と接する従事者にも、必ず外部の研修機関にて研修を受講してもらうよう促すことを要望しますが区の見解を問います。
【④最後に】
私は、子どもたちを守るために議員になりました。
子どもたちの中でも最も弱い立場の障害児にこのようなことがあり、非常に残念に思っています。
また、こうした重度障害のある方々は、その障害により、「嫌なことを嫌だ」と言葉にすることも難しい方が多々いらっしゃいます。
ですから、この件は、もしかしたら氷山の一角に過ぎないのかも知れません。
だからこそ、今の障害者虐待防止センターの体制では、虐待を受けている障害者、そして障害児を取りこぼしてしまうのではないかと大変危惧しています。
虐待やそれに類する行為は、絶対に許されない。
当センターは、障害児・障害者を虐待から守ること、事業者ではなく子どもの人権を一番に考え、全力を尽くす。
この気持ちは、区長はじめ、北区の障害者虐待防止センターの職員のみなさんも同じであると私は信じ、早急な対策を求めます。
以上で、質問を終わります。
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◆録画放送もご覧いただけます。
全20分、作業しながら聞くことも可能です。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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