大切な方を見送るときは、できるだけ心穏やかに、故人との時間を大事にしたいものです。
費用のことで悩まずに済むよう、火葬の体制を整えていくことは、行政の大切な役割だと私は考えています。
10月14日、都の「火葬場に係る検討会」で、23区内に小規模な公営火葬場を新設する案が示されました。
長年の課題について、都と区の議論が少しずつ前に進み始めています。

目次
■ 23区は全国でも珍しい「民営中心」
全国の火葬場の97%は公営です。ところが23区では9か所中7か所が民営で、うち6か所は同じ1社が経営しています。
火葬の8割以上を民間が担う、全国でも例のない構造です。
■ 高い火葬料金と広がる公民格差
民営火葬場の料金は多くで8万円を超え、公営との差が広がっています。
■ 「区民葬儀」の取扱い終了
23区には「区民葬儀」という制度があります。
区と協定を結んだ葬儀店に頼むと、祭壇や霊柩車、火葬などを割安な料金で利用でき、火葬料も通常より安い5万9,600円で済みます。
ところが今年4月、23区の火葬の約7割を担う東京博善の6斎場で、この区民葬儀の取扱いが終了しました。
これらの斎場での火葬料は8万7,000円になります。

■ 23区共通の助成制度(北区民も対象)
そこで23区では、共通の助成制度(2万7,000円)を設けました。
区民葬儀の祭壇または霊柩車を利用し、これらの斎場で火葬した方が対象で、北区民の方も申請できます。
助成によって自己負担はこれまでとほぼ同じ水準に保たれていますが、行政が穴埋めしている状態ともいえます。
本来は、料金そのものの適正化が必要です。
■ 法律に料金の基準がない
墓地埋葬法には料金の基準がなく、行政が改善を求める手段は限られています。
■ 2035年頃には火葬が困難に
都によると、2035年頃には都内でスムーズな火葬が難しくなる見通しで、火葬能力の確保も急務です。
■ 新設案のポイント
・2〜4基の火葬炉を備えた小規模火葬場を、区内に分散配置
・短期間で組み立てられる「ユニット型」で、工期・コストを縮小
・住宅との距離規制について、都は見直しが必要との方針
・12月にも「中間まとめ」を予定
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区長からは前向きな意見が相次ぎ、都も支援する意向を示しています。
北区も区内に火葬場のない区の一つです。
■ 知事と都民ファーストの会東京都議団の取組
小池知事は所信表明で、民間火葬場が資本取引の対象となり得るとの認識を示し、火葬事業の公共性を高める方針を掲げてきました。
私の所属する都民ファも2025年第3回定例会の代表質問でこの問題を取り上げ、国への法改正要望や火葬能力の実態調査につながる答弁を得ています。
■ これから
火葬は、すべての人に必要な「最後の公共インフラ」です。
一方で、新設には用地の確保や近隣の皆様のご理解が欠かせません。
地域の声を丁寧にうかがいながら、誰もが安心して大切な方を見送れる東京を目指し、引き続き取り組んでまいります。

⬛️参考
・朝日新聞(2026年10月15日朝刊)「23区内 公営火葬場の新設案 小規模を分散配置」
・日本経済新聞「公営の小規模火葬場、東京23区が新設検討 距離規制緩和も」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC07AYQ0X01C26A0000000
・東京都議会 令和7年第3回定例会 会議録(都ファ代表質問)
https://www.gikai.metro.tokyo.lg.jp/record/proceedings/2025-3/02-01.html
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