先日、世田谷区立の教育支援センター(旧:適応指導教室)で、NPO法人東京シューレさんが運営する施設へ視察に伺いました。
教育支援センター(旧:適応指導教室)とは、不登校のお子さんに対し、学校外において基礎学力の補充、集団生活への適応等のための相談や指導を行い、社会的自立を目指す施設です。
北区にも区役所滝野川分庁舎に、区が運営する適応指導教室「ホップ・ステップ・ジャンプ」 があり、20名弱のお子さんが登録し、10名弱のお子さんが不定期に通っています。
世田谷区の施設は、不登校支援にノウハウを重ねてきた民間団体が運営するという珍しい施設であり、視察を申し込んだのですが、本当に素晴らしい施設でした。
ほっとスクール希望丘は、複合施設の2階にある施設です。
木の温もりを感じる開放的な施設であり、ワンフロアにホール、学習室、相談室、キッチンなどがあります。
また、複合施設内なので、館内の体育館でスポーツを行うことができます。
ここで、施設のポイントを4つに絞ります‼️
◆ここがスゴイぞ、ほっとスクール希望丘◆
①子どもが主体的に決めて企画、アクションをとることが日常的に行われている
企画に係る予算、手法、内容など議論して主体的に活動しています。
例えば、迷路お化け屋敷、ファッションショーなど。
その体験的活動の中で、社会で必要な、他人と折り合いをつける力などを養うだけでなく、自己肯定感が育まれています。
②空間の工夫
立ち寄りやすい開かれた場所で温かみのある作りとなっています。
キッチンやギターなどの楽器まで、活動の幅が広がります。熱中できる何かが見つかりそうです。
③理念と5つの大切にしていることに共感!
学校復帰が第一の目的ではなく、子ども達の将来の社会的自立を目標としています。
5つの大切にしていることも素晴らしいです。
・ホッとできる場所
・やりたいことを応援する場所
・子どもが自分で決めることを大切に
・子ども達でつくる
・違いを尊重する
④AI型デジタル教材での学習
世田谷区として導入しているQubina を活用し学習しています。
AIが一人ひとりに合わせて最適な問題を出題し、基礎から応用まで様々なレベルに応じた学習ができます。
印象的だったのはスタッフの皆さんが子どもたちへ、とことん寄り添う姿勢です。
例えば、漫画を描くことが好きなお子さんが作成した作品を、廊下に一目でわかるよう展示し、製本までして形にして本人にプレゼントしてあげたこと。
スタッフは指導者でありますが、支援者でもあるため、フラットな関係を意識し、親しみやすい雰囲気を作るため、敢えて〇〇先生という呼び方はしません。
これまでも支援に携わってきたノウハウを生かしているからこその運営で、毎年、受け入れは満員になっているそうです。
ここを巣立ったお子さんも、フラッと立ち寄って顔を見せてきてくださるとのこと、信頼関係が伺えます。
北区には、令和元年度で300人以上の不登校の小中学生がいます。
北区の適応指導教室は元校長などが勉強を教え、比較的学校の授業に近い運営がなされていますが、通うことができてるのは、不登校の児童生徒のうち10分の1にも満たない状況です。
様々な状況のお子さんがいらっしゃるので、それぞれに合った方針となりますが、通うことができているお子さんが決して多いとは言えません。
一方で、世田谷区のほっとスクールは過去2年連続で受入人数が埋まっているそうです。
世田谷区や足立区のように、支援のノウハウを持った多様な主体が関わり、機能を拡充することが必要と考えています。
フリースクールもお子さんによって合う合わないがありますが、費用が実費負担であることから経済的理由で通うことができないお子さんもいます。
そうなると不登校のお子さんのほとんどは、自宅で過ごすこととなります。
自治体は、学校外で過ごすお子さんにも、しっかりと教育の機会を確保するという教育機会確保法が施行されていますが、現場ではなかなかうまくいっていません。
今回、区内の不登校支援団体、専門のNPOの方にもヒアリングさせていただいていますが、続きは来月9月の北区議会にて、課題について訴えていきたいと思います。
世田谷区の職員の皆様、シューレのスタッフの皆様、沢山の学びをどうもありがとうございました。
参考
◆北区「ホップ・ステップ・ジャンプ」
https://www.city.kita.tokyo.jp/k-shien/kosodate/kyoiku/sodan/taisaku.html
◆世田谷区「ほっとスクール希望ヶ丘」
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/009/003/002/d00183949.html
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