東京都北区議会での訴え 不登校支援・新型コロナ自宅療養者への支援〜その1 令和3年9月議会

本日、北区議会、第三回定例会の一般質問に登壇しました。

 

質問作成にあたっては、当事者団体の皆様、支援団体の皆様等にヒアリング等を行い、調査活動は区民の有志の方々にもご協力いただきました。

 

先進的な取り組みを行っている世田谷区の「ほっとスクール希望丘」にも視察に行き、取り組みを学びました。

 

世田谷区「ほっとスクール希望丘」へ〜不登校のお子さんが立ち寄りたくなる居場所とは

 

応援してくださる区民の方々、不登校当事者の方々が傍聴に来てくださり、大変励みになり、少しでも前進できるよう心を込めて訴えました。

 

 

今回の訴えで、前進した内容もありました。

 

不登校は問題行動ではなく、どのお子さんにも起こりうる、特別なことではありません。

 

不登校のお子さん含め、全ての子どもたちの成長を支えることは社会の責務であり、自治体は、不登校が原因で子どもの教育や社会的自立の格差が出ないよう支援しなくてはなりません。

 

不登校の親子が孤立せず、希望を持って生きていけるような対策を求めていきます。

 

本日から二日間、原稿等について掲載したいと思います。

 

◆テーマ
①不登校支援 →本日掲載
②自宅療養者への支援

を投稿します。

 

◆不登校支援5つのツッコミ

 

①登校をサポートする事業「家庭と子供の支援員」制度の周知 🌸前進‼️

 

これまで該当と思われる方へのみ学校からご案内しているが、区民に対しては一切の周知活動をしておらず、必要な方に届いていない。

しっかり周知すべき。

 

◆回答概要

ホームページ等で周知する

 

②不登校の適応指導教室「ポップステップジャンプ」の拡充 🌸前進‼️

区立小中学校には300人以上の不登校のお子さんがいる中で、通うことができているのは10名程度。

小学生はたった一人しかいない。

明らかに少ないと言える。

 

8年前から変わらない元校長・副校長をメインとした学習補助だけではなく、他自治体で成功事例がある社会的自立を促す仕掛け作りができるような支援も重視した人員構成と居場所機能としての充実を要望する。

 

また、不登校支援実績の民間のノウハウを活用した手法を取り入れるべきと考えるが区の見解を伺いたい。

 

◆回答概要

指導補助員の公募等の機会に民間経験者の人材確保にも努める。また今後は、適応指導教室の職員が、民間施設や他区の施設の支援事例を研究し、事業運営に生かす。

 

 

③中間的居場所作り 

 

北区の不登校のお子さんは9割弱が家で過ごしており、北区では学校と適応指導教室以外に、公的な居場所がない。

 

教室以外で学習の場を求めているお子さんも大勢いることから複数の居場所を設置するよう要望する。

 

◆回答概要

他自治体の取組みなどを研究する

 

 

④ICTを全面活用した学習のサポート

 

(ア)オンライン学習の進度や理解度を確認し、チャット等できめ細かなサポートを 🌸前進‼️

 

◆回答概要

学級担任等がGoogleMeetで連絡を取り、オンライン教材の取り組み状況を確認し、家庭学習をサポートすることが可能となった。

 

不登校児童・生徒への支援の一つとして生活指導主任会等で各校に情報提供する。

 

(イ)希望者には同時双方向のオンライン授業の実施を

 

◆回答概要

研究する

 

⑤生活困窮世帯への経済的支援

 

義務教育であっても、学校以外の学びの場はを求めると経済的負担になる。

 

コロナ禍で保護者の収入が激減し、これまで通っていたフリースクールに通えなくなる事例も。他自治体でも実施されている経済的支援を行って欲しい。

 

◆回答概要

就学援助の制度で対応可能

 


 

以下原稿です。

 

長いですがとても分かり易いので、ぜひご覧ください‼️

 

・・原稿・・・

私は、区内の当事者団体などから不登校支援について様々なお声をいただいています。

 

不登校を抱えるご家庭は、通常なら学校が提供する学習、給食、運動の機会などを全てご家庭で担い、共働き家庭では子どもだけで1日を過ごし、自宅学習をしていることも少なくありません。

 

不登校のお子さんは、将来の引きこもりや就学機会を逃したことで貧困問題に直面する可能性もあります。

 

不登校のお子さん含め、全ての子どもたちの成長を支えることは社会の責務であり、自治体は、不登校が原因で子どもの教育や社会的自立の格差が出ないよう支援しなくてはなりません。

 

文科省の調査によると、令和元年度、全国の小中学校で年間30日以上欠席した不登校のお子さんは181,272人、前年度より1割の増加で過去最多を更新しました。

 

特に不登校が深刻化している中学生の不登校児出現率でみると、なんと約25人に1人が不登校となっています。

 

学習指導要領にも記載のある通り、不登校は問題行動ではありません。いじめ、人間関係、学校や家庭環境など様々な要因により、結果として不登校になってしまうのです。

 

つまり、どのお子さんにも起こり得る、特別なことではありません。

そして今後も長引くコロナ禍で、学校行事なども軒並み中止となり、精神的な落ち込みから、不登校がますます増加する可能性も否定できません。

現在、いわゆる「教育機会確保法」では、不登校児に対する教育機会の確保などの施策に関し、基本理念や国・自治体の責務などを明記しています。

 

この法律により、初めて不登校のお子さんの休養の必要性が認められ、自治体は学校以外の場でも学習の機会を保障するよう必要な措置を講ずることとなりました。

 

更には、これまで不登校の児童生徒に対し、学校復帰を目標にした支援が行われていましたが、令和元年10月25日付文科省からの通知等により、学校復帰に捉われることなく、社会的自立を目標にする新しい不登校対応が求められています。

 

ここで北区の現状に目を向けると令和元年度において、不登校の小学生が107人、中学生が228人、合計なんと300人を超えています。

また、北区の小中学生全体に対する不登校のお子さんの出現率は全国の値よりも高くなっており、相対的に「多い」といえます。

 

そのような中、北区では不登校の支援策として、スクールカウンセラー等との連携、適応指導教室の設置、NPO法人と連携した保護者のつどいなどが実施されています。

 

学校に通うことができない場合、適応指導教室や民間フリースクール等に通うこととなりますが、現実はほとんどのお子さんがどこへも通うことができず、ご自宅で過ごされています。

 

このような状況において、未来を担う全ての子どもたちが社会で自立して生きていけるよう、以下4点を要望します。

1点目は、登校をしぶるお子さんへのサポートです。

 

不登校初期の段階として、学校に行きにくくなったり、学校を休む日が増えたりということが起こります。

このようなお子さんの登校をサポートすることは、欠席の継続を未然に防ぐ可能性があるだけでなく、保護者が毎朝会社を遅刻して子どもに付き添うこと等の精神的負担軽減にもつながります。

 

北区では東京都の事業を活用し平成23年度から「家庭と子供の支援員」制度が設けられています。

 

これは登校をしぶるお子さんに対して、家まで支援員がお迎えに行き、学校までの登校をサポートをする事業です。

 

そのほか、登校後の別室での寄り添いや家庭訪問によるお子さん・保護者への助言・相談なども行っており、現在、小学校では35校中33校が、中学校では全12校において導入されています。

 

しかし、このような制度があるにもかかわらず、ホームページにもチラシにも一切記載がなく、多くの当事者さえも知らない状況です。

 

北区が広く区民に周知しない理由としては、学校が主体となり支援策の一つとして実施しているためとのことです。

 

学校側の考えだけで提供するのではなく、当事者自身が選択できるよう、ホームページ等で積極的に発信し、周知活動を行うことを要望しますがいかがでしょうか。

また、小学校においては2校のみ本制度の導入がなされておりませんが、どの学校のお子さんも同じように支援が受けられるよう、全校の導入に向け積極的な働きかけを行っていただきたいのですがいかがでしょうか?

 

区の見解を伺います。

2点目は、北区の適応指導教室の拡充です。
欠席が長期化してくる子どもたちには、安心して過ごせる居場所が必要です。

 

「適応指導教室」は、不登校の子どもたちが、将来社会で自立する力を養うことを目的として設置された通所施設で、平成15年から標準的な呼称が「教育支援センター」となりました。学習補助だけでなく、子どもたちに必要な居場所機能も担います。

 

現在、北区の適応指導教室には、大きな課題があると考えます。

 

それは、当該教室への登録者だけでなく、実際に教室に通うことができているお子さんが非常に少ないことです。

 

定員30人との基準が設けられていますが、通級の頻度が様々であることから、これを越える申し込みがあっても受け入れいるという柔軟な対応をしていただいています。

 

現状は、小中学生合わせて20人弱の登録があり、実際に通うことができているのは11人程度、そのうち小学生はたった1人と仄聞しています。

 

北区には300人以上の不登校の小中学生がいる中で、通級できているお子さんが全体の30分の1以下というのは、明らかに「少ない」と言えるのではないでしょうか?

 

結果的にこちらに通うことができないお子さんは、有償のフリースクールや自宅学習となるため、この教室に通えるお子さんを増やすことは、大きな不登校支援に繋がると考えます。

一方で、世田谷区の教育支援センター「ほっとスクール希望丘」は民間のノウハウやネットワークを活用し、NPO法人が運営しています。

こちらは、過去2年間定員が満席、今年も9月には受け入れ人数が埋まると仄聞しています。

 

私はこの施設に視察に伺いましたが、オンライン教材を用いた学習のみならず、体験活動を通した学びが数多く展開されており、社会で必要な相手と折り合いをつけながら話をまとめる力、表現力、協調性を伸ばす仕掛け等、様々な工夫が凝らされていました。

 

子ども自身が大好きなことを受け止め、伸ばし、自己肯定感を高める取り組みも行っています。

 

例えば、漫画を描くことが大好きなお子さんの作品を冊子にしてあげたり、本人の「みんなに見せたい」という気持ちを大切にし、本人と相談の上、廊下に貼り出したりと、子どもの気持ちに寄り添いながら共に活動を行っています。

 

このような丁寧な対応により、センターを卒業する頃には、自信を持ってその後の人生を歩むことができるようになります。

 

また、足立区においては当初、北区と同様の「登録者が少ない」という課題を抱えていました。

 

主に元校長などが担っていた適応指導教室でしたが、登録者が少ないこと、つまり、自宅での引きこもりが増えてしまうことから検討を重ね、支援のプロである社会福祉士、臨床心理士を中心にした運営スタッフとし、子どものケアと学習に励んでいるとお聞きしました。

 

このように、適応指導教室は、学習補助だけでなく、社会的自立を促す仕掛け作りができる人員構成と居場所機能が重要です。

 

しかし、北区の適応指導教室の運営は、約8年前から変わらず元校長・副校長などが授業形式で行う学習補助が中心となっています。

 

北区では、必要な場合にはスポットでいらっしゃる臨床心理士のカウンセリングを受けることが可能となっていますが、実際には登録・通級人数が少ないことから、これまで以上に子ども達の社会的自立を促し、子どもたちが「ここなら安心して通える」と思える施設を目指すことが必要です。

 

そのため世田区や足立区等のように「指導」だけでなく「支援」を重視し、専門家を組み込んだ人員構成としていただきたいのですが、いかがでしょうか?

 

不登校支援実績のある民間のノウハウを活用した手法も取り入れるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 

3点目は、中間的居場所の提供です。

 

前述したとおり、適応指導教室、民間のフリースクール等があるものの、それらに通うことができず、北区においては不登校の小中学生の9割弱が自宅で過ごしていると認識しています。

 

ここで、足立区では、学校内にある適応指導教室「あすテップ」のほか、複数の居場所を用意しています。

 

学校外で学習支援や集団活動を行う場を提供する「チャレンジ学級」の他、NPO法人と連携した複数の居場所が設置されており、自分にあった居場所を選択できる環境が整っています。

 

北区においては、公的に設置されたもので言えば適応指導教室1箇所以外に居場所がなく、そこに通うことができなければ自宅しか選択肢がありません。

 

そこで例えば、居場所機能の強化策として、現在の適応指導教室や他の公共施設の一室をフリースペースとし、支援員を常駐させる等して、子どもたちが、学習も含め自由に過ごせる居場所を提供することも可能と考えます。

 

こうした複数の居場所は、教室以外の場所で過ごし、学習したいという子ども達の大切な受け皿となっており、多くの当事者の方々も望まれていることから、設置について要望いたしますがいかがでしょうか?

 

最後に4点目として、不登校のお子さんを誰一人取り残さない教育機会の確保のために2点A・Bを要望します。

 

現状、不登校のお子さんのほとんどは自宅で過ごしており、学校・学校外での教育格差がますます拡大しているという課題があります。

 

そこで方法AとしてICTを全面的に活用した学習環境の整備を求めます。

 

この春から、区立小中学生に対し一人一台パソコンが配布され、その中には学習アプリが搭載されています。

 

先生との連絡ツールとしてチャットなども活用し、オンライン学習の進度や理解度を確認しながらのきめ細やかなサポートをお願いしたいと思います。

 

また、コロナが不安で登校を控えるお子さんにも共通することですが、希望者には同時双方向のオンライン授業を実施するよう要望しますがいかがでしょうか?こちらは、令和2年第2回定例会でも要望しております。

次に、方法Bとして、生活困窮世帯の不登校のご家庭への金銭的補助を要望します。

 

自宅にてたった一人でオンライン学習するということは、実際にはなかなか集中力が続かずハードルが高いというお声もいただきます。

 

しかし、学校以外に学びの場を求めると、金銭的な負担が重くのしかかります。
本来、義務教育は無償ですが、不登校のご家庭は全て自費で学びの機会を得ているためです。

 

近年、フリースクールや家庭教師も充実していますが、月謝や活動費の負担が大きいため、多くの方が気軽に選べるものではありません。

家庭の所得により大きな教育格差が生じてしまいます。

コロナ禍で保護者の所得が激減し、これまで通っていたフリースクールを諦めざるを得ないお子さんも出てきていると仄聞しています。

 

このような課題を解決するため、滋賀県草津市では、フリースクール等の民間施設を利用するための補助金を交付しています。所得に応じて補助率を変えることで、保護者の経済的な負担軽減を行っています。

また、佐賀県江北町ではフリースクール等への入学準備金や通所経費だけでなく、適応指導教室に通うための交通費補助も行っています。

 

北区においても、せめて生活困窮世帯に対しては、お子さんの学びの機会が保証できるよう補助制度について検討していただきたいのですが、いかがでしょうか?

 

”万が一不登校になったとしても手を差し伸べてもらえる”と思えることは、学校に通う全ての子どもたちや保護者の心の支えになります。

 

不登校の親子が孤立せず、希望を持って生きていけるような対策を望みます。