「選べる未来」をどう支えるか — 京都府のプレコンセプションケア&女性活躍支援を視察 その2

こんにちは、都議会議員のこまざき美紀です。

「選べる未来を増やそう」

これは京都府が「きょうとプレコン」という取り組みで掲げているキャッチコピーです。

誰もが、望むライフデザインを自分で選べる社会にしていく、という思いが込められています。

 

6月30日、都民ファーストの会 東京都議団のメンバー(高橋まきこ都議、松岡あつし都議、さいとう和樹都議)とともに、京都府へ日帰りで視察に行ってきました。

京都府健康福祉部への「プレコンセプションケア」に関するヒアリング、らら京都等の視察と、一日で2つのテーマを学ぶ、濃い視察となりました。

 

🔲京都府の「プレコンセプションケア」の取り組み

✅プレコンセプションケアとは?

「性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザインや将来の健康を考えて健康管理を行う取り組み」のことです。

京都府では幼児期から社会人まで切れ目なく展開しています。

背景にあるのは、府内の不妊治療開始年齢の約7割が35歳以上であること、そして年間150人もの10代女性が人工妊娠中絶を経験しているという現状です。

 

「妊活を始めた時にはすでに妊娠率が下がっている」

「予期せぬ妊娠を防ぐ取組が必要」

という危機感から、京都府は令和5年12月の「子育て環境日本一推進戦略」、令和6年4月施行の関連条例と、着実に政策の土台を積み上げてきました。

 

🔲各世代への取り組み

⚪︎幼児期:「自分のからだや心を大切にする力」を育むマンガリーフレットを幼稚園・保育所約1,000か所へ配布

⚪︎小・中学校:助産師による「いのちの出前講座」(平成28年度開始、今年で11年目、年間約30校)

 

⚪︎高校:全国初となる、3領域9コンテンツで構成された教育プログラムを開発。授業スライド・医師解説動画・ワークシート・教員用指導案までワンセットで用意

⚪︎大学・社会人:大学でのセミナー、企業の人事担当者や産業医向けの研修プログラム

 

啓発面でも、京都精華大学マンガ学部との連携による啓発マンガ、地下鉄やトイレ個室内サイネージでの動画配信など、若い世代に届く工夫が随所にありました。

 

🔲ヒアリングで見えてきたこと

担当者に直接お話を伺うことができ、資料だけでは分からない「現場のリアル」を知ることができました。

 

①学校での集団的アプローチがなぜ実現できているのか

平成28年から続く出前講座の積み重ねが大きいとのことでした。

京都府助産師会所属の、経験豊富で話ができる方が講師を担い、10年間の実績があるからこそ、学校側にも安心感がある。

 

窓口となるのは養護教諭で、保護者にもきちんとコンセンサスを取りながら、どこまで・どんな形で実施するかを丁寧に調整しているそうです。

先生方同士の横のつながりも、講座が広がっていく力になっているとのことでした。

 

②学習指導要領との兼ね合い

教材はすべて教育委員会が目を通し、文言やイラストの一つひとつまで、安心して使えるものになるよう配慮されています。

特に中学校では、性感染症の予防を教えるにも性交そのものに触れられない、妊娠の過程を教えられないという、いわゆる「はどめ規定」の壁があります。

 

現場の先生も「正しく伝えるのが難しい」と感じているとのこと。

このため京都府はまず高校からプログラムを始め、中学校は学習指導要領の範囲内でのプログラム開発にとどめているそうです。

 

しかし、中学生にも本来はもう一歩踏み込んだ内容が必要だという認識は担当者も持っているとのことでした。

私自身も包括的性教育について、区議時代から取り組んでおいますが、東京都でも同じ構造的な課題があると感じます。

 

 

③個別アプローチ(相談窓口)の実績

令和7年7月に統合された相談窓口では、これまでに相談件数1,317件、ズーム相談8件、SOS相談410件、SOS窓口の友だち登録1,043人という実績が出ています。

 

授乳方法の相談から、避妊への協力が得られない、中絶の同意、中絶可能期限を過ぎてしまったといった切実な相談まで対応しているとのこと。

高校での出前講座の際に相談窓口のカードを生徒全員に配布するなど、集団的アプローチから個別アプローチへの導線もきちんと設計されていました。

 

④産婦人科受診のハードルを下げる工夫

「かかりつけ婦人科医を持とう」というメッセージを一貫して発信し、どんな時に医療機関に相談すればよいかを具体的に伝える。

マンガ教材にもクリニックの話を盛り込み、「生理痛がつらいときは受診していい」と、受診への心理的ハードルを丁寧に下げる工夫がされていました。

🔲東京都に持ち帰りたいこと

京都府の「10年間の実績」「養護教諭をハブにした合意形成」「学習指導要領内での着実なプログラム開発」というプロセスは、都教育庁や区市町村教育委員会との連携に悩む東京都の課題と地続きと考えています。

 

京都府の令和7年7月に4つの窓口を統合した相談体制は、開設早々1,300件超の実績を上げています。

東京都にも妊娠・DV・子育てなど分野ごとの相談窓口は様々ありますが、「どこに相談すればいいか分からない」という声は今も多く聞かれ、必要な支援に繋げられるよう、引き続き取り組みます。

 

今回丁寧にご説明いただいた京都府健康福祉部の皆さまに感謝申し上げます。

様々学んだことを、しっかり政策提言につなげていきます。

 

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