東京都北区議会「コロナ禍での教育・ひとり親の養育費不払い問題」を訴え 〜最終

今回の議会では、
①新型コロナ禍での教育
https://komazakimiki.jp/4225/

②ひとり親の養育費不払い問題
を訴えました。

 

今回掲載する②については

離婚後、母子世帯の約6割が養育費を受け取れていない

更に約4割が途中から受け取れなくなるという日本の深刻な社会問題を北区としてどう解決していくか?

そのために大きく3点を要望するものです。

そして、この議会での訴えにより早くも
3つの大きな前進がありました。
https://komazakimiki.jp/4260/

養育費不払い問題については
今回、養育費の取り決め合意書を進めることができました。

これからは、養育費の保証会社との契約の際の補助もしっかり取り組んでもらえるよう、尽力します。

それでは、最後の原稿を掲載します。

 

・・原稿・・・

◆北区における3つの提案

北区においても、ひとり親家庭の生活困窮を防ぎ、子どもたちが心身ともに健やかに成長できるよう、次の3つを要望します。

 

まず一つ目です。

養育費の不払いにおける大きな要因の一つに、その取り決めがなされないまま離婚に至ってしまうという問題があります。

 

平成28年度厚生労働省の調査結果によると、養育費の取決めがなされていない母子世帯は約54%で、その理由として「相手と関わりたくない」が最も多いとのことです。

 

この、離婚時の養育費の取決めは大変重要なもので、この有無により、その後の法的手続きも含め大きな影響があることから、文書による取り決めを行うことは、養育費の受け取り率の向上のために最も効果が大きく、 かつ最重要な対策であると考えます。

 

そこで、離婚届受け取り時等に、次のa.b2点を必ずお渡しすることを要望します。

aとして、法務省が作成した子どもの養育費や面会の取り決めに関する合意書の雛形等が添付されている啓発パンフレット、bとして、離婚の際に役立つサポートガイドを新規作成し、お渡しすることです。

ここで、法務省で作成された啓発パンフレット等は、実は平成28年10月から、市区町村の窓口において離婚届用紙を取りに来られた方にお渡しし、ご案内をすることになっています。

 

北区でもそのような対応がなされていると確認していますが、配布もれのあった方も複数おられました。

そこで必ずお渡しし、必要性についてご案内ができれば、最大限、離婚前に取り決めに関する合意書の必要性を知り、示された雛形に沿って合意書を作り、備えることができると思います。

 

さらに、離婚届受け取り時には、パンフレットに加え、離婚時に必要な養育費一覧など、ひとり親になるにあたって必要な情報がまとまったサポートガイドを新規作成し、お渡しいただきたいのですが、いかがでしょうか?

 

ひとり親の方々にヒアリングを行なったところ、離婚の際には、育児、家事、引っ越し、目の前のパートナーとのやりとりで精一杯で、必要な情報を調べるのが大変な負担であり、大切な情報がまとまっていると助かるとのことです。

 

サポートガイドの内容の具体例としては、養育費算定表、財産分与の考え方、面会交流、受けられる支援、区が行う相談窓口などが記載されたもので、必要な取り決めや受けられる支援がまとまっているものが便利です。

 

離婚届にこのサポートガイドと法務省のパンフレットを最初から挟み込んでおくことで、もれなく配布することできます。
また、既存の離婚届記入例など必ず確認する文書の中に、この取り決め合意書の必要性についても追記していただきたいです。

 

それだけでなく、それ以前のコンタクトポイント、例えば無料法律相談、そら豆の相談イベントにおいて、不払い問題について触れ、ご案内をし

希望者には子育て支援の枠組みで養育費や面会交流の取り決め支援を行うよう庁内で連携を取っていただきたいのですが、いかがでしょうか。

 

2点目は、必要なタイミングで相談・支援ができる仕組みについてです。

現状の北区では、ひとり親家庭等相談室である通称「そらまめ相談室」において、弁護士による法律相談が、月2回、平日に行われています。

 

しかし、離婚などの法律相談がしたいけれども、平日は仕事があり、なかなか伺うことができないというお声を多々いただいています。

 

平日来れない方のために、日曜出張相談を実施していますが、年にたった4回と、頻度が少なく、必要な時に相談ができない状況です。

 

そこで電話相談など、区役所に来所する以外の方法で、そらまめの法律相談を提供して欲しいのですが、いかがでしょうか?

これは、利便性の問題だけでなく、当事者のお声から、子どもを連れて窓口に行くと十分に話ができない、あるいは、子どもがある程度の年齢になると相談内容を理解してしまうことから

子どもたちの精神的な負担となるため、電話相談を可能としてほしいとのことです。

 

新型コロナウイルス対策のためにも、会場に赴く方法だけでなく、別な手段を選択できることが大切だと思います。

 

次に、児童扶養手当の現況届を提出できる日時を増やしそれを活用して、必要な支援に結びつけることです。

 

児童扶養手当の現況届は、原則受給者全員が提出のため8月に区役所を訪れます。

 

このタイミングを、毎年定期のコンタクトポイントとして最大限活用し、虐待、貧困などのハイリスク家庭への早期支援に繋げて欲しいと思います。

 

明石市でも実践されていますが、この8月の書類提出時には、生活・子育て相談、法律相談、離婚後子育てガイダンスなどのメニューを用意し、

土日の受付日でも必要な相談に対応できるよう、子ども家庭支援センター等との連携を図っていただきたいのですがいかがでしょうか?

 

最後に3点目、養育費不払い者から養育費の受け取りを支援する制度の導入です。

 

前述しましたが母子世帯の約6割は養育費を受け取ったことがない、支払われたとしてもその約4割が途中で不払いとなってしまう深刻な養育費不払い問題は、

支払いを相手に要求し続けるという心的負担が大きいことから、多くは泣き寝入り状態です。

 

そこで、不払いとなった養育費を立て替え、養育費支払い義務者への督促を行う保証会社との契約において、初回保証料等の助成を行う自治体が増えています。

 

例えば、仙台市、船橋市、豊島区、横須賀市、愛知県知立市、滋賀県湖南市、大阪市、神戸市など全国的に実施され始めています。

 

これについて、なんと東京都は、今年4月から、この制度を導入する市区町村に対し、契約の際に必要な初回保証料の半額補助等を行います。

 

北区もぜひ、この事業に手をあげてください。
そして、残り半額の助成を北区独自で行なっていただきたいのですが、いかがでしょうか?

不払いの相手方は、親権を失っても、自分と同じ程度の生活を保障する義務である「生活保持義務」は消滅しません。
生活水準を落としてでも支払う必要があるお金です。

 

養育費は子どもの教育や生活に必要な子どものためのお金ですから
個人ではなく社会全体の問題として認識し、行政が対策を取らなくてはなりません。

 

養育費不払いの解決は、ひとり親家庭の経済的困窮を防ぎ、自立を支えるとともに、子どもへの心理的・経済的な負担を減らし、教育格差の縮小にも繋がります。

 

子どもたちの将来に関わることです。

 

そのために、養育費の取り決め支援、その実現のための北区による不払い対策をお願いしたく、大きく3つの実現を強く要望し、質問を終わります。

ご静聴ありがとうございました。

 

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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