東京都議会では令和5年度の各会計決算特別委員会が開催されています。
私も委員となっており、第二分科会(福祉、保健医療、生活文化スポーツ、教育)に所属し審議に加わっています。
10月18日、私は高齢者の方からお声をいただいている❶シルバーパスと、北区議会議員時代から取り組んでいる❷多胎児家庭支援をテーマに質問に立ちました。
お声を寄せていただいた皆さん、どうもありがとうございます❗❗
都政と区政を繋ぎ、東京都から北区の皆さんの暮らしが良くなるよう尽力してまいります。

⭐️質疑の解説
🟢シルバーパスって何?
東京都在住の満70歳以上の方が対象で、非課税の方は年間1,000円、課税の方は20,510円にて購入できます。
都内の民営バスと都営交通(都バス、都営地下鉄、都電など)等に乗車できます。

🟢目的は?
ひきこもりがちな高齢者の社会参加を促し、福祉の向上を図ることです。
🟢なぜテーマにしたの?
シルバーパスの1,000円と20,510円という価格設定について、価格差が大きすぎるのではないかという声が多数届いたため決算について注目しました。

🟢概要
決算内容について質疑するとともに改善に向け要望。
都民ファーストの会では、勉強会などを開催して公共交通のあり方について議論を深めており、
次の変更にあたってはバス事業者に利用状況のデータ提供を義務付けるなどして、実態にあった制度としていくことも必要と考えています。
会派としても今後さらに議論を深めていきますが、高齢者の外出を促進し社会とつながる高齢者福祉のツールであることを踏まえ、東京都に対し
①利用実態や負担能力を踏まえた、なだらかな利用者負担額を設定すること等
②より使いやすく、また持続可能な制度
となるよう要望しました。
「無料にして!安くしてほしい!」というだけでは、バス会社の負担も含め持続可能な制度として成り立たなくなってしまいます。
利用実態を踏まえながらも、より高齢者の皆さんにとって利用しやすい制度設計となるよう私も注視してまいります。

—
🌟質問ダイジェスト
Q1
シルバーパスはいつから始まった制度か?現在の制度までの変遷についてあわせて伺う
A1
・昭和48年に開始した都営「無料乗車券」制度をもとに、昭和49年に民営バスも加えた「東京都敬老乗車証制度」として始まった
・昭和54年には名称変更し、所得基準を設定。昭和55年には名称を現在の「東京都シルバーパス」に変更し、所得基準を超える方に対して有料パスを発行
・平成12年に利用者負担金を導入するなど、現在の制度に見直し
Q2シルバーパスの2種類の利用者負担額設定の算出根拠
A2
・利用者負担額は、平成12年に規則に定めた額
・20,510円は、当時の都内バス運賃平均額200円に、月の平均利用回数10回、年額だと12か月、共通バスカードの割引率を乗じて算出
・1,000円は事務費相当を定めた額
a
Q3比較のため、70代、80代、90代以上の年齢区分における、各負担額の所持者数と割合について伺う
A3
1,000円のシルバーパス取得者は70歳代、80歳代・90歳以上のどの年代においても約9割
約10万人の方が20510円にて購入(詳細は本文を参照)
Q4
「シルバーパスの改善」に向けて都の見解
A4
・シルバーパス制度は現在の制度となってから四半世紀が経過し、健康寿命の延伸や交通事情の変化など本事業を巡る環境は変化している。
・高齢者施策全体を総合的に議論していく中でシルバーパスについても利用実態を把握しながら制度の改善に向け検討していく。

お時間のある方はぜひご覧下さい!👇
ーー以下、全文ーー
都知事の公約にも掲げられている、シルバーパスの改善について伺います。
私は、高齢者の方々が幾つになっても自分らしく、元気で暮らせるよう、介護予防、フレイル予防について北区政にて取り組んでまいりました。昨年、介護資格を取得し、現場での勤務を経験してきたことを都政にも役立てていきたいと思っています。
コロナ禍ではコロナフレイルと呼ばれる、コロナでの外出控えにより、体力や認知機能の低下、孤立促進が問題となりました。
昨今では気候変動による夏の猛暑日が続き、猛暑フレイルと呼ばれる事態も起きています。
そこで、大切な役割を担っているのがシルバーパスです。
家に引きこもりがちになる高齢者が、外出するきっかけを持って地域社会と繋がっていただくためにも、このシルバーパスは大いに役立っていると多くの喜びの声をいただいているところです。
まず、①確認の意味を込めてシルバーパスの意義について伺います。
A1
シルバーパス制度は、高齢者の社会参加を助長し、高齢者の福祉の向上に寄与

②シルバーパスはいつから始まった制度なのでしょうか?現在の制度までの変遷についてあわせて伺います
A2
・シルバーパス事業は、昭和48年に開始した都営「無料乗車券」制度をもとに、昭和49年に民営バスも加えた「東京都敬老乗車証制度」として始まった
・昭和54年には名称を「東京都老人パス」に変更し、所得基準を設定するとともに、昭和55年には名称を現在の「東京都シルバーパス」に変更し、所得基準を超える方に対して有料パスを発行
・その後、平成12年に実施主体を一般社団法人東京バス協会へ変更し、利用者負担金を導入するなど、現在の制度に見直した
次にシルバーパスの利用者負担額設定について、非課税の方は1,000円、住民税課税の方は20倍以上の20,510円と、あまりにも価格差が大きいという声が届いています。
③シルバーパスの2種類の利用者負担額設定の算出根拠についてお伺いします。
A3
・利用者負担額は、現行制度の開始時である平成12年に、シルバーパス条例施行規則に定めた額
・利用者負担金である20,510円は、当時の都内バス運賃平均額200円に、月の平均利用回数10回、年額とするため12か月、及び共通バスカードの割引率を乗じて算出
・区市町村民税非課税の方などの利用者負担金である1,000円は、事務費相当を定めた額
月平均10回程の乗車を見込み、それを超えた場合にはバス会社が負担するしくみであることがわかりました。

④比較のため、一般的に高齢になればなるほど負担感が高まると考えられることから、70代、80代、90代以上の年齢区分における、各負担額の所持者数と割合について伺います。
A4
令和4年度の実績では、全体で約102万人のうち、70歳代は1000円の方が約46万人で発行数全体の44.8%、20510円の方が約6万人で5.6%、
80歳代は1000円の方が約41万人で39.8%、20510円の方が約3万人で3.4%、
90歳代以上は1000円の方が約6万人で5.9%、20510円の方が約6千人で0.6%
ご答弁によると、令和4年度の取得者は102万人とのことでした。
東京都の令和4年の人口のうち70歳以上が246万9千人となっています。
シルバーパスを取得している方の割合を算出すると、約4割の高齢者がシルバーパスを取得していることになります。
次にシルバーパス取得者のうち、1000円での取得した方の比率を見てみると、70歳代、80歳代・90歳以上のどの年代においても約9割にのぼります。
多くの方が千円で購入されているものの、約10万人の方が20510円にて購入されています。
都営交通を利用しないため不要と考えるなど理由はさまざまかと思いますが、高額と感じるために購入できない方もいらっしゃいます。
実際に私の元にも利用者負担額設定について都民の方々から、もう少し負担を抑えてほしい、負担をなだらかにしてほしいといったお声が多数届いているところです。
本制度は昭和49年から開始し、平成12年に価格改定を行ってから、20年以上が経過しています。
この間、社会情勢も大きく変化しており見直しの検討が必要ではないかと考えます。
また、「都民ファーストの会」では、シルバーパスの対象拡大として多摩モノレールを加えることを要望しているところです。
小池知事も3期目の公約の中で「シルバーパスの改善」と「多摩都市モノレールをシルバーパスの対象に」することを掲げられました。
⑤改めて、「シルバーパスの改善」に向けて都の見解をお伺いいたします。
A5
・シルバーパス制度は現在の制度となってから四半世紀が経過し、健康寿命の延伸や交通事情の変化など本事業を巡る環境は変化している。
・このような状況の変化を踏まえ、高齢者施策全体を総合的に議論していく中でシルバーパスについても利用実態を把握しながら制度の改善に向け検討していく。
都民ファーストの会では、勉強会などを開催して公共交通のあり方について議論を深めており、次の変更にあたってはバス事業者に利用状況のデータ提供を義務付けるなどして、実態にあった制度としていくことも必要と考えています。
会派としても今後さらに議論を深めてまいりますが、私個人としては、高齢者の外出を促進し、社会とつながる高齢者福祉のツールであることを踏まえ、
利用実態や負担能力を踏まえた、なだらかな利用者負担額を設定することなど、より使いやすく、また、
持続可能な制度となるよう検討していただくこと要望して質問を終わります。
多胎児家庭支援に続く・・

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