東京都議会では令和5年度の各会計決算特別委員会が開催されています。
私は第二分科会(福祉、保健医療、生活文化スポーツ、教育)に所属し決算の審議に加わっています。
本日は10月25日に行われた教育庁に関する決算特別委員会について掲載します。
🌟テーマ
①不登校→本日掲載!
②教育現場での暑さ対策
③教員の働き方改革 (部活動の地域連携・地域移行)
東京都の不登校支援については、フリースクール等の利用者等支援事業として月2万円の助成、メタバースを用いた支援、不登校対応巡回教員の配置など
区市町村が東京都の制度を用いて、次々と具体的な制度を開始し熱心に取り組まれています。
この度は、数々の区民の方々からの声を聴く中で、今回は特にお子さんの送迎に関する課題に着目し、令和5年度決算に絡めて質疑しました。
不登校の児童生徒が
「この科目ならば授業を受けたい、今日は遅刻するけど学校へ行けそう」
という場合に、学校の遅刻早退には原則、保護者の付き添いが必要です。
そのため仕事を持つ保護者の方々は両立に苦しんでおられます。
「仕事を続けたいけれど送迎で年休を使い果たし、仕事を諦めざるを得ないのか」
といご相談を今まさに受けているところです。
働き続けたい多くの保護者にとって、登下校をサポートも行える「家庭と子供の支援員制度」が希望の光となっています。
北区議時代に区議会にて要望し、本制度について初めてホームページへの掲載が叶い、必要な区民が支援に手が届くよう、周知をしていただきました。
区民・都民の声を都政に反映することで、結果的にその制度を活用している北区でも制度内容が変わります。
今回の質問にて、都の職員の方々には大きな問題意識を持っていただくことができました。
今後も区民(都民)目線・現場主義で、皆さんの抱える諸問題に取り組んで参ります。
ーー当時のブログ🖊️ーー
東京都北区 不登校対策
ママたちの声を元に「家庭と子供の支援員」制度が初周知・初公開‼︎
⬛「家庭と子供の支援員」制度とは?🏠👦
いじめ、児童虐待など生活指導上の課題への対応や不登校について、登校時の家庭訪問や保護者への相談・助言など幅広い支援が行える制度。
東京都が区市町村に補助を出し、導入を導いている。
⬛都への質問と要望
当該制度の執行状況、取り組み、成果について伺うとともに、支援員の人材確保、スキルアップ、必要な都民に行き渡るよう、都としても周知の後押しが必要であり、東京都における取り組みの推進を要望しました。
ーー原稿全文ーー
令和4年度文科省の調査によると不登校の児童は全国で29万人以上にも上り、不登校児童数は過去10年間増加し続けているとのことです。
また、東京都における不登校児童は約2万7千人で10年連続で増加しています。
このような中で、不登校支援は喫緊の課題です。
教育機会確保、将来的な社会的自立、子どもの居場所など多角的にこの課題を考え、学校での学び以外の選択肢が増えるような取り組みが必要であると考えます。
東京都として、不登校の子ども達が多様な学びを選択できるように、様々な補助、支援を行っています。
フリースクール等の利用者等支援事業として月2万円の助成、バーチャルラーニングプラットフォームの実施、不登校対応巡回教員の配置など区市町村が東京都の制度を用いて、次々と具体的な制度を開始し、熱心に取り組まれていることを高く評価しています。
不登校に関連して「家庭と子供の支援員制度」について伺います。
本事業は、あまり知られていませんが、私は非常に重要な制度だと考えています。
東京都の「学校と家庭の連携推進事業」に基づき、いじめ、児童虐待など生活指導上の課題への対応や不登校への支援について、
児童・生徒及び保護者の相談だけでなく支援体制の構築を目的とし、登校時の家庭訪問や保護者への相談・助言など幅広い支援が行える制度となっています。
【質問①】
令和5年度には、どれくらいの自治体において導入され(自治体数、配置学校数)、現場ではどのような支援内容として活用されているか伺います。
【答弁概要】
・都教委は、学校と家庭の連携推進事業を令和5年度に、62自治体中34自治体、区市町村立の小学校等1,269校中274校、中学校等611校中161校の計435校で実施した。
・本事業では、都内公立小・中学校において、元教職員や民生児童委員等の地域人材が学校と協働して、いじめ等の問題行動、不登校、児童虐待等の課題を抱えている子供及びその保護者に対し、家庭訪問や校内での別室指導等で相談や学習支援などを行っている。
—
導入自治体数については半分強の自治体が導入しているものの、導入学校数としては小中学校それぞれ半数にも満たない状況です。
【質問②】
令和5年の本事業の予算はどのような根拠をもって積算されたのか、併せて予算額、決算額、執行率について伺います。
【答弁概要】
・都教育委員会は、学校と家庭の連携推進事業について、各区市町村教育委員会に対し、前年度に実施の意向を確認し、それに基づき、積算した。
・令和5年度の予算額は1億174万5千円、決算額は約7,594万円、執行率は74.6%であった。
事前に事業実施の意向を確認した上で、積算しているとのご答弁でした。
—
なお、1学校あたり年額399,000円で積算していると伺っています。
事前に意向調査している割には、執行率が74.6%というのは若干低いと感じられます。
必要な方に届くよう、より多くの自治体での活用にむけ、実施希望自治体への丁寧なご説明・ご対応をお願いいたします。
【質問③】
次に、本事業の取り組みの成果について伺います。
【答弁概要】
・支援員を配置した学校からは、「不登校の初期段階に、家庭訪問等の対応を行ったことで登校につなげることができた。」「学習指導の補助をしてもらうことで、子供の不安を和らげ、学校生活への慣れや学習意欲の向上に結び付けることができた。」等の報告を受けている。
不登校を解消する上で一定の成果が得られた。
—
ご答弁にもありましたが、登校を渋る子どもに対して支援員が自宅まで迎えに行き、登校をサポートする事業としても活用されており、一定の成果が得られたとのことでした。
児童生徒が、「この科目ならば授業を受けたい、今日は遅刻するけど学校へ行けそう」という場合に、遅刻早退には原則、保護者や関係者の付き添いが必要です。
そのため仕事を持つ保護者の方々は両立に苦しんでおられます。
「仕事を続けたいけれど送迎で年休を使い果たし、仕事を諦めざるを得ないのか」という保護者からのご相談を今まさに受けているところです。
登下校のサポートについては、自治体独自で不登校児童生徒の送迎サポート制度を創設している場合もありますが、多くの自治体において制度化されておりません。
そのため働き続けたい多くの保護者にとって、本制度が希望の光となっています。
現場ではいくつかの課題も浮き彫りになっています。
一つは支援員不足です。
活動できる支援員が不足しており、サポートが受けられなかったというお声が複数寄せられています。
支援員の拡充については例えば、東京都の人材紹介サイトTEPROの活用など、都教委から区市町村の教育委員会に対し様々な手法を提案し、共に人材確保に努めていただくことを強く求めます。
支援員が見つかったとしても、支援員の方が不登校に対する理解に乏しく送迎支援が継続できなかったとの声もいただきます。
人員不足だけでなく、支援員の不登校への理解・専門知識獲得のためのスキルアップも課題です。
【質問④】
そこで不登校対応における家庭と子供の支援員のスキルアップ(支援員不足と専門知識不足)について、都教育委員会の取組について伺います。
【答弁概要】
・都教委は、毎年度、不登校の子供に対する支援の在り方等を示したガイドブックの活用を促すなど、支援員を含めた教職員の組織的な対応力の向上を支援している。
・また、令和5年度から、別室指導を行う支援員に対して、オンデマンド研修を実施し、不登校の子供に対する効果的な取組を共有するなど、個々の対応力も高めている。
—
不登校だけでなく、教育現場では様々なニーズのあるお子さんが増加しており、昨今では様々な支援員がサポートに入っています。
そうした支援員が専門的知識を身に付け、スキルアップを図るため、例えば令和6年度からインクルーシブ教育支援員を対象に、インクルーシブ教育の研修動画を作成する予定と仄聞しています。
このような取り組みは、大変素晴らしいと思います。
本制度においても、支援員のスキルアップとしてガイドブックや、オンデマンド研修などを活用されているとのことですが、実際の利用者から伺う現場の状況とは乖離があると感じます。
現場で手足を動かしてくださる支援員まで研修制度が届いているのか疑問であり、今後の課題としていただくことを強く求めたいと思います。
本制度ですが、区市町村における周知にも課題があると考えます。
ほとんどの区市町村のホームページにおいて、本制度の記載そのものがありません。
実際に調べてみると、本制度についてホームページに記載がある自治体が23区内でたった2自治体、さらには登校支援について触れているのは1自治体でした。
必要な都民に行き渡るよう、都としても後押しが必要です。ぜひ、東京都における取り組みの推進をお願いいたします。
【質問⑤】
最後に、家庭と子供の支援員は、各区市町村が実施する事業とのことであります。
しかし、都教育委員会としても家庭と子供の支援員による支援が、子供や家庭により一層寄り添ったものとなるよう努めるべきと考えますが、都教委の取組について伺います。
【答弁概要】
・都教育委員会は、本事業を実施する学校に、管理職や教職員、支援員等で構成する会議を設置するよう、ルール化している。
・この会議において、子供一人一人に対する取組をより具体的に検討したり、子供や家庭の改善状況を確認したりするなど、支援員がよりきめ細かく対応できるようにしている。
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令和7年度から都立高校では、チャレンジサポートプランにより多様な児童生徒に向けた支援を実施予定ですが、昨今、地域の小・中学校も同様に多様な児童・生徒が在籍しています。
都教委と基礎自治体の生活指導担当間において「生活指導担当指導主事連絡協議会」が開催されていると仄聞しています。
そうした場を活用しながら区市町村の教育委員会と密に連携し、共に解決に努めながら
必要な方に支援が届く制度となるよう強く求めて質問を終わります。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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